韓国語で”눈치”(ヌンチ)とはどのような概念か?

韓国語における눈치とは、”他の人の気分や、何をしてほしいかを素早く感じ取る能力”という意味で、他人の気持ちをすばやく把握して、よい関係維持を保つことができる手段の事です。韓国で눈치が有るか無いかは、意思疎通を行う上でとても重要な事とみなされています。

日本人から見ると、韓国の人たちは言葉を通して自己の主張を強く行うという印象を持ちがちですが、必ずしもそれだけではありません。

相手が話した言葉じりだけではなく、それに加えて空気を読んで、相手が何を望んでいるかの意図に気づくかなければならないというハイコンテキストな文化もあります。このため、눈치にはは、音声とコミュニケーションに大きな影響を与えています。

韓国には、눈치という言葉を含む、多くの慣用句や表現があります。

눈치を含む表現たち

눈치가 있다

“눈치가 있다”は、”空気が読める”という意味で、文字通り、その場の状況を素早く察することができる人の事を指します。

눈치가 있는 사람
空気が読める人

눈치가 없다

눈치가 없다は、”空気が読めない・気が利かない・機転が利かない”、という意味です。

눈치 없는 발언
空気が読めない発言

눈치 없는 녀석
空気が読めないやつ

눈치가 빠르다

눈치가 빠르다は、”空気が読める(他人が何を望んでいるか、素早く気付ける)”という意味です。他人の気持ちを読めるという意味で誉め言葉です。

눈치를 살피다

눈치를 살피다は、”人の顔色を探る”という意味です。

상사의 눈치를 살피다
上司の顔色をうかがう

눈치를 주다

눈치를 주다は、”合図をくれる”という意味です。言葉で教えるというよりは、目で指図するようなイメージです。

그녀가 똑같이 하라는 눈치를 주었다
彼女が、同じことをしろと合図をくれた

눈치를 보다

눈치를 보다は、”他人の目をうかがう、顔色をうかがう”という意味です。

눈치 보는 사람
顔色を伺う人

가게 주인의 눈치를 보다
お店の主人の顔色をうかがう

눈치가 보이다

눈치가 보이다は、”自分を嫌っているようだ(≒相手が自分の顔色を窺っているようだ)”という意味です。

눈치 채다

눈치 채다は、”気付く”という意味で、깨닫다と似た意味です。

아이는 부모가 앞에서 싸우지 않더라도 부부간의 관계를 쉽게 눈치챈다.
子供は、両親が目の前で喧嘩しなくても、夫婦関係を簡単に気付く

また”気づく”を名詞化した”気付き”は、눈치챔となります。

눈치(를) 살피다

눈치를 살피다は、”顔色を探る”という意味です。

아이가 제 눈치를 엄청 살펴요.
子供が私の顔色をすごい探ります。

속눈치

속눈치は、”内心”の事です。

눈칫밥

눈칫밥は、”他人の目を気にしながら食べる食事”の事です。

結婚した配偶者の家で食べる食事や、場違いなところに招かれて食べる食事など、周りの気を使いながら食事をするさまの事です。

“눈칫밥(을) 먹다”という使い方もします。

눈치코치

“눈치코치”は、눈치を強調した表現で、코は鼻です。

눈치코치도 모른다
全く機転が利かない。
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